津田塾大学名誉教授の藤田文子さん(67年)が戦後の日米文化交流史ともいえる研究成果を東京大学出版会から上梓されました。タイトルは「「アメリカ文化外交と日本~冷戦期の文化と人の交流~」。280頁に及ぶ大作です。
本書の内容を「はじめに」から紹介すると、まずアメリカ文化外交の軌跡をたどり、それを踏まえて1950年代の対日ア
メリカ文化外交の形成と活動を概観したあと、具体的な事例として、米国大使館が提供する『父湯川博士』などの映画、ノーベル賞受賞作家ウィリアム・フォークナーの来日時のエピソード、写真展、交響楽団、舞踊団、ジャズバンド、
その他の来日公演の内容と日本人の対応を考察する。最終章では、冷戦期におけるアメリカの対日外交の効果を考察する。歴史の本には登場しない普通の人々の行動や対応は、政治や経済とは異なる日米関係についてさまざ
まなメッセージを伝えている。
本書の「あとがき」には、著者が1967年に1年間留学したEWCでの体験談が語られており、ここでの経験が人や文化
の交流という視点から日米関係を考えたいと思うようになった原点である、と述べています。画像の上をクリックすると拡大して見ることができます。 山下道子(76年)・記